福井県内で空き家を購入してリノベーションしたいと考えているものの、「費用はどれくらいかかるのか」「雪や湿気といった地域特有の問題にどう対応すればよいのか」と悩んでいる方は少なくありません。空き家のリノベーションは新築の購入と比べてコストを抑えられる一方で、建物の状態や法規制、補助金制度など事前に確認すべき事項が多いのも事実です。
そこで本記事では、福井の空き家問題の背景からリノベーションのメリット・デメリット、購入時の注意点、事例までを分かりやすく解説します。空き家の購入とリノベーションを検討する際の判断材料としてぜひ参考にしてください。
福井の空き家問題とは?

引用元:MIYARENO(https://miya-f.co.jp/r/bukkenDetail.php?17)
福井県で空き家の購入・リノベーションを考えるなら、最初に地域の実態を把握する必要があります。空き家率の推移、空き家が目立つ地域、自治体が進めている対策を把握すると、単なる中古住宅探しではなく、地域事情を踏まえて判断しやすくなります。福井県全体の空き家率が上昇しており、市町ごとに対策には濃淡があるため、データを確認する視点が欠かせません。
空き家率
福井県の令和5年住宅・土地統計調査では、総住宅数が341.4千戸、空き家率が15.6%となり、平成30年と比べて1.8ポイント上昇しました(※)。福井県の空き家率は、空き家の購入を検討する前提として把握しておくべき数字です。
全国値13.8%を上回っているため、福井県では空き家対策が個別案件ではなく、住宅政策全体の課題として扱われています。空き家率の上昇は、放置家屋の増加だけでなく、利活用できる既存住宅ストックが増えているとも読めます。購入希望者にとっては、物件選択の幅が広がる局面です。
しかし、同時に管理不全物件も混在しやすくなるため、選別は慎重に行う必要があります。
※参照元:福井県ホームページ「令和5年住宅・土地統計調査」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/jutyo5.html)
空き家の多い地域
福井県では、小浜市・敦賀市・福井市・あわら市・丹生郡・越前市・坂井市・大野市・鯖江市・越前町などで空き家率が高い傾向です(※)。人口減少や高齢化、相続後に利用されない住宅の増加などが背景にあります。
福井市と坂井市の空き家の状況は、以下の通りです。
| 空き家の多い地域の例 | 福井市 | 坂井市 |
| 総住宅数 | 124,690戸 | 35,710戸 |
| 空き家数 | 20,050戸 | 4,370戸 |
| 空き家率 | 16.1% | 12.24% |
| 前回比 | 1.7ポイント上昇 | 0.13ポイント低下 |
福井市の令和5年の総住宅数は124,690戸、空き家数は20,050戸、空き家率は16.1%で、平成30年の14.3%から上昇しました。坂井市は総住宅数35,710戸、空き家数4,370戸、空き家率12.24%で、空き家数は増えつつも前回比0.13ポイント減となっています(※)。
福井市は県都として住宅数が多く、坂井市は観光資源と郊外住宅地を併せ持つ地域です。地域特性が異なっても空き家活用の余地がある点は共通しており、福井市や坂井市は居住用だけでなく事業用の再生も検討しやすいエリアです。
※参照元:
福井市ホームページ「令和5年住宅・土地統計調査の集計結果の公表」 (https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/tokei/tyousa/p070838.html)
自治体の対策
福井県と市町が連携しながら、空き家放置の問題として処理するだけでなく、管理・活用・除却を一体で進めています。
福井県は、市町や関係団体と連携し、福井県空き家対策協議会で適正管理や活用、除却に取り組んでいます。空き家対策などの推進に関する特別措置法の改正と国のガイドラインを踏まえて、空き家対策マニュアルを改定しました。加えて、住まいづくり支援制度では、老朽した空き家の除却や空き家管理代行サービスの利用、空き家診断などを対象としています(※)。
福井市でも、空き家情報バンク登録物件の改修を支援する制度を整えています。行政の役割は取り締まりだけではなく、流通の促進と利活用の後押しへ広がっているのです(※)。
※参照元:
福井県ホームページ「住まいづくりの支援制度について」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/sumaishienseido.html)
福井市「空き家リフォーム支援事業(令和8年度)」(https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/hojyo/kurasi/akiya_reform31.html)
福井の空き家をリノベーションするメリット・デメリット

空き家のリノベーションは、新築購入や賃貸住まいとは異なる選択肢として注目を集めています。しかし、費用対効果や建物の状態によってはリスクが生じるため、メリットとデメリットの両面を理解した上で判断することが重要です。
メリット
空き家のリノベーションには、既存ストックを活かしながら住まいと事業の自由度を広げやすい利点があります。
- 既存建物の広さや間取りを活かしやすい
- 古民家や町家の意匠を事業価値へ転換しやすい
- 空き家情報バンクや改修補助と組み合わせやすい
- 居住用と事業用の両面から再生計画を立てやすい
福井県は、1住宅当たり延べ面積が135.66㎡で全国2位、居住室数が5.52室で全国3位と、住宅規模が大きい県です(※)。広さに余裕のある住宅を再生できれば、居住用だけでなく、事務所併設や二拠点居住、親族同居などへ展開しやすくなります。
さらに、古民家カフェや移住者向け住宅、多世帯近居の住まいなどで、空き家が新たな機能を得た事例もあります。空き家リフォームには補助制度を使えるため、新築一択より資金配分の柔軟性が高い選択肢です(※)。
※参照元:
福井県ホームページ「令和5年住宅・土地統計調査」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/jutyo5.html)
福井県ホームページ「福井県空き家活用事例集」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/akiyakatsuyou.html)
福井市「空き家リフォーム支援事業(令和8年度)」(https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/hojyo/kurasi/akiya_reform31.html)
デメリット
空き家リノベーションには、購入後の負担が増えやすい弱点があります。空き家は見学時に印象が良くても、屋根や外壁、床下、配管、断熱、基礎などに追加工事が発生しやすく、総額が当初の見積もりを超えるケースが珍しくありません。
福井県は「雪に強い家づくりの手引き」を公表しており、屋根雪下ろしの事故防止や克雪住宅の考え方を示しています(※)。裏返せば、積雪に耐える改修設計が欠けると、維持管理の負担が残りやすいという意味です。
さらに、権利関係や用途地域、相続登記の未了など、建物の外観だけでは分からない要素も多く、価格の安さだけで決めると判断を誤るおそれがあります(※)。
※参照元:
福井県ホームページ「雪に強い家づくり」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/kokusetsujutaku.html)
法務省「相続登記の申請義務化について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html)
国土交通省「用途地域」(https://www.mlit.go.jp/common/000234474.pdf)
福井で空き家を購入・リノベーションする時の注意点

福井で空き家を買ってから後悔しないためには、建物の現状把握や改修費用の算定、法令、支援制度などを事前に確認することが重要です。確認が一つ欠けるだけで、魅力的に見えた物件が採算の合わない案件へ変わることがあります。反対に、確認項目を整理しておけば、リノベーション向きの物件を見つけやすくなります。現地確認と書類確認を分けず、一つの判断プロセスとして扱いましょう。
建物の劣化状況や耐震性を事前に確認する
最初に行うべきことは、建物の状態を感覚ではなく、具体的な項目で確認することです。空き家は通風不足や雨漏り放置などで傷みが進みやすく、内見だけでは構造部の劣化状況を読み切れません。
福井県は「雪に強い家づくりの手引き」で、克雪住宅の計画要点や注意事項を公表しています。特に、垂直積雪量が2メートル以上の地域では、雪対策を踏まえた検討を促しています(※)。
したがって、福井の空き家調査では、屋根の形状や雪の落とし方、外壁や開口部の防水性、床下の湿気対策まで視野に入れる必要があります。耐震性の確認や雨漏り跡の確認、シロアリ被害の有無、設備配管の更新時期を確認し、工事全体の予算を考えるようにしましょう。
※参照元:福井県ホームページ「雪に強い家づくり」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/kokusetsujutaku.html)
購入からリノベーションまでの費用を見積もる
費用の見積もりでは、工事費だけでなく、取得から入居後までを見通して組み立てる必要があります。空き家案件では、売買価格より改修費と付随費用の振れ幅が大きくなりやすいため、建物価格だけで割安と判断するのは危険です。
空き家の購入からリノベーションまでには、以下の費用がかかります。
| 費用区分 | 費用の項目 | 見落としやすい情報 |
| 取得費 | 売買代金、仲介関連費、登記費 | 相続未登記や抵当権の確認 |
| 改修費 | 構造補修、設備更新、断熱、内装 | 解体後の追加工事 |
| 気候対応費 | 屋根、雨仕舞い、換気、防湿 | 積雪荷重や湿気対策の見積もり |
| 運用費 | 維持管理、修繕積立、保険 | 事業活用時の初年度の運転資金不足 |
購入費や仲介関連費、登記費、設計費、解体撤去費、設備更新費、断熱改修費、外構費、仮住まい費などを含めて総額を見ると、意思決定が現実に近づきます。
福井市の空き家リフォーム支援事業は、対象工事費20万円(税抜)以上を要件とする制度です。補助金額は対象工事費の3分の1を上限とし、基礎額30万円と子育て応援加算30万円を設けています(※)。
補助制度を後から足す発想ではなく、初回の見積もり段階から織り込むほうが適切です。
※参照元:福井市「空き家リフォーム支援事業(令和8年度)」(https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/hojyo/kurasi/akiya_reform31.html)
積雪・湿気などの気候に配慮した改修を行う
福井の空き家改修では、意匠より先に気候対応を組み込む必要があります。気象庁の福井観測所の平年値では、年降水量が2,299.6mm、平均相対湿度が75%、最深積雪が26cmとなっており、冬季の降雪と湿気の両方に備える設計が必要です(※)。
さらに福井県は、雪下ろし負担を減らすために克雪住宅の考え方を示しています。改修では、屋根勾配と排雪動線、外壁の防水、床下の通気、浴室と脱衣室の換気、窓まわりの結露対策を一体で設計すると効果的です(※)。
見た目を整えても、湿気が抜けない家は長く持ちません。福井のリノベーションでは、見えない水分の動きまで設計図に入れる姿勢が収益性につながります。
※参照元:
福井県ホームページ「雪に強い家づくり」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/kokusetsujutaku.html)
自治体の支援制度を確認する
空き家の購入・リノベーションでは、自治体の支援制度について事前に確認しておくことも重要です。
| 自治体の支援制度 | 主な対象 | 主な内容 |
| 福井県 空き家対策支援事業 | 県内市町を窓口とする空き家対策 | 除却、管理代行、空き家診断を支援 |
| 福井市 空き家リフォーム支援事業 | 空き家情報バンク登録物件の改修 | 対象工事費の3分の1上限、基礎額30万円、子育て加算30万円 |
| 坂井市 空家改修支援事業 | 購入者、賃借者、賃貸物件所有者 | 補助率3分の1以内、区域や属性により上限額が変動 |
福井県と市町が連携する「空き家対策支援事業」では、老朽空き家等の除却や空き家の管理代行サービス利用、空き家診断などを支援対象にしています(※)。
福井市の「空き家リフォーム支援事業」では、空き家情報バンク登録物件の改修に対し、対象工事費の3分の1を上限として基礎額30万円、条件を満たす子育て世帯には30万円を加算しています(※)。
坂井市の「空き家改修支援事業」では、購入・賃借者の改修で補助率3分の1以内、上限は居住誘導区域内100万円または区域外30万円を基本としています。賃貸物件所有者向けの改修には、区域内60万円または区域外30万円を設けています(※)。
ただし、制度の適用条件や補助金額などは、年度や区域、世帯属性、契約時期などによって変わります。物件探しと同時に確認する流れが合理的です。
参照元:
福井県ホームページ「住まいづくりの支援制度について」(https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/sumaishienseido.html)
福井市「空き家リフォーム支援事業(令和8年度)」(https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/hojyo/kurasi/akiya_reform31.html)
空き家の権利関係や法規制を確認する
権利関係と法規制の確認は、現地調査と同じくらい優先順位が高い作業です。「空き家等対策の推進に関する特別措置法」では、生活環境の保全と空き家の活用促進を目的に、市町村の対策計画や施策推進の枠組みを定めています(※)。
また、用途地域が指定されると、目的に応じて建てられる建物の種類が決まります。さらに、相続で不動産を取得した相続人には、相続開始と取得を知った日から3年以内の相続登記申請義務があります(※)。
購入前には登記事項や相続登記の完了状況、用途地域、接道や用途変更の可否を確認し、必要に応じて司法書士や建築士へ依頼しましょう。
参照元:
e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127)
国土交通省「用途地域」(https://www.mlit.go.jp/common/000234474.pdf)
法務省「相続登記の申請義務化について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html)
法務局「不動産登記申請手続」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/touki1.html)
福井の空き家のリノベーション事例
福井で空き家のリノベーションを計画する際は、事例を調査分析すると参考になります。ここでは、古民家や店舗併用住宅、築古マンションなどの空き家をリノベーションした事例をご紹介します。
古民家のリノベーション

引用元:MIYARENO(https://miya-f.co.jp/r/bukkenDetail.php?3)
築60年を超える空き家を、デザイン性の高い和モダンな戸建住宅へとリノベーションした事例です。
- 物件所在地:福井市照手3丁目2-19
- 土地面積:51.40㎡
- 建物面積:64.45㎡
- 構造:木造瓦葺2階建て
- 建物築年月:昭和24年築
入居者が日々の暮らしの中で安らぎや癒しを感じられる空間を目指し、プランが検討されました。建物が持つ趣ある部分は大切に残しつつ、和の落ち着きと洋の快適さを調和させています。
※参照元:MIYARENO(https://miya-f.co.jp/r/bukkenDetail.php?3)
店舗併用住宅のリノベーション

引用元:MIYARENO(https://miya-f.co.jp/r/bukkenDetail.php?17)
店舗併用住宅として利用されていた1棟の建物を1階は店舗、2階・3階は事務所、4階は住居として個別賃貸できるように、大規模にリノベーションした事例です。
- 物件所在地:福井市宝永1丁目37-21
- 土地面積:74.36㎡
- 建物面積:424.15㎡
- 構造:鉄骨造陸屋根4階建て
- 建物築年月:昭和55年築
収益物件としての活用を前提に、改修工事費と賃貸収益性のバランスを考慮しながらプランを立案しました。内装は壁面を除き全面的に解体し、各種設備もすべて一新。用途ごとに使いやすさを高めることで、収益性と利便性を兼ね備えた物件へと再生しています。
※参照元:MIYARENO(https://miya-f.co.jp/r/bukkenDetail.php?17)
築古マンションのリノベーション

低価格でも売却が難しかった築42年の中古マンションを、ほぼスケルトンの状態まで解体し、全面的にリノベーションした事例です。
- 物件所在地:福井市問屋
- 専有面積:77.53㎡
- 構造:鉄筋コンクリート造
- 建物築年月:昭和50年築
既存の間取りや設備などの課題を洗い出し、試行錯誤を重ねながらプランを検討しました。圧迫感のあった3DKから、開放感のある2LDKへ間取りを変更。デザイン性と暮らしやすさの両立を追求し、2WAYキッチンの採用やIoT導入区分マンションの機能性も取り入れています。
福井で空き家をお探しなら宮永不動産にご相談ください
福井県では、空き家率の上昇を背景に、住まい用にも事業用にも空き家のリノベーションが促進されています。判断材料は価格だけではなく、建物の劣化や積雪と湿気の対応、補助制度の適用条件、用途地域の確認などと多岐にわたります。
- 福井県の空き家率は15.6%で、利活用余地と管理不全リスクが同時に広がっている
- 空き家のリノベーションでは、広さや地域性を活かしやすい
- 追加工事と権利確認が、リノベーションの成否を分ける
- 福井の気候では、積雪荷重、防水、防湿、換気を初期設計へ組み込む必要がある
- 支援制度を早い段階で確認すると、資金計画を組みやすい
福井で空き家の購入や売却、活用、リノベーションなどを検討中でしたら、宮永不動産へお気軽にご相談ください。空き家は、古い家というだけで価値が決まる資産ではありません。調べ方と再生の組み立て方次第で、暮らしにも事業にも使える選択肢へ変わります。物件の選定から制度の確認、事業性の整理まで、無料相談を通じて、福井の地域事情に合った進め方をご提案します。以下のフォームから、ぜひお気軽にご連絡ください。
